ムサシとミミッキュの絆の瞬間…は、訪れるのでしょうか?

と、いうわけで今回はアーカラ島編ではほとんど出番の無かったロケット団が活躍する回となります。
果たして、ムサシの行動はミミッキュに響くのでしょうか…?

それでは続きから感想です!

SM第38話「ミミッキュのばけのかわ!」
脚本:関根アユミ/絵コンテ:尼野浩正/演出:榎本守/作画監督:門智昭,田之上慎/作画監督補佐:鷲田敏弥,服部憲知

ミミッキュのピカチュウへの意地を知ったムサシ…それはムサシ自身も持っているハングリー精神と一致していました。

と、いうわけでムサシの横暴さも描きながら、自分と似た匂いのするポケモンにはきちんと優しく接する面も見られた、結構珍しいタイプの話でした。
最初こそミミッキュが怒っている理由が分からなかったものの、ピカチュウバルーンに駆け寄る姿を見る事によってピカチュウのようなばけのかわを持っているからこそのミミッキュであるというのを知って、直してあげる所は良かったですね。

ムサシも目に見えない所で様々な経験をしては、その意地を張り続けてきたわけですから…
そこからミミッキュがピカチュウを襲ったとしても全く怒らなかった部分も気持ちの変化が言葉に出さなくとも表されていたので、ここは脚本の巧さが光ったな、と思いました。
ただ単にミミッキュの気まぐれさに怒るのではなく、理由を知ったのであればきちんと優しく接するというムサシらしい対応が面白かったわけです。

他にも金を使われているのではないか、と懸念し実際使われているのが分かると遠目から何も関わらず応援する鬼畜ぶり(笑)を見せたコジロウや、やっぱりミミッキュの中身を見てしまうニャースなど、ロケット団の面白さも関根さんらしく描かれていたと思います。
ついで、と言ってはあれですが、ルガルガンがワールズエンドフォールを成功できずにいたのは頑張りすぎていたから、という理由で基礎から特訓して成功させたりと、ムサシとミミッキュの動きと連動させて「原点回帰」を描いていたのは好印象でした。
力を得た事で、サトシのために頑張る姿勢を見せたのは良いのですが、そこで疲れてしまってはダメ、というわけですね。

と、いうわけで1つ1つの感想に行きます。

さて、話はサトシがルガルガンと登校している時に、Zワザを出してみたいとルガルガンに言っている所から始まります。
アーカラ島に帰ってきてのスクールライフ、あのサトシが早く登校してまでライチから貰ったいわZの効果を試したかったのでしょう。
こういう好奇心旺盛な所やすぐにすぐに!という段階の速さというのは、自分の寝坊癖すら直ってしまうほど楽しいものなのだな、とサトシの良さを改めて認識した感じになりました。

ですが、マオとカキが来た事によって視界が狭くなった事でピカチュウをカプセルの中に閉じ込められてしまい、ロケット団が現れたんです!
勿論電撃対策はバッチリだったわけですが…それにしてもアローラの朝日にわざわざ御加護があるようにと祈っている辺り、アローラの風習にすっかり染まっている感じが面白いですね(笑)
すっかり悪役気取ってますけど、そこだけはこだわるのね、という感じで。

と、ここでピカチュウを取り返す為にと、ルガルガンと共にワールズエンドフォールを試そうとします!
ここで重要なのは、急にZワザをやろうとしたため、心の準備がしっかりできていないままになった事ですね。
確かにルガルガンとサトシの絆は申し分ないのですが、心を急に固めようとすると、失敗した時にその理由が見えづらくなってしまうんですよ。
そうなると「どうしてできなくなるんだ…?」と焦る事に繋がって悪循環に陥るわけです。
この辺りはサトシゲッコウガが発動しない理由がショータ戦の時に分からずに立ち尽くしてしまったのと同じと考えてもらえればと思います。

だからこそ、岩を大きく作るまでは成功するものの、途中で岩が砕けてしまい、そのまま細かい岩となって散ってしまったというわけですね。
この意味というのは後に明らかになりますが、上手い事ここで試練を設けて来たな、と思いました。
ルガルガンに進化したことは喜ばしいことではありますが、まだまだたそがれのすがたは分からない事が多いですし、生き物としての描写を重視する以上、進化して強くなって終わり、ではルガルガンのドラマが終わってしまいます。
それを避けてのこのルガルガンの試練…焦っていた故に分からなかったのもこの後に活かす意味でよく出来ていたと思います。

ちなみにそのたそがれのすがたの貴重さに気づいたロケット団はルガルガンも諸共頂こうとしていましたが、肝心の出したミミッキュがピカチュウの方向を向いてしまい、反撃が出来ないという事態に陥っていました。
この事に対してムサシは怒り、コジロウは最早散々見せられているピカチュウへの執念の燃やし方に半ば諦めているようでした。
ここでミミッキュの意見を尊重しないという流れというのは、ただ集中されても邪魔になるだけ、とデメリットな部分しかこれまで存在していなかったから、という側面はかなり強くなっていたと思います。
だからこそこの対応なのですが…これが最後との対比になっている、という仕掛けがリアルで面白い、というわけです。

そんなわけで、ワールズエンドフォールは効かなくても「こちらの攻撃を受けてもらおうか?」とダイナミックフルフレイムを喰らい、そのまま吹っ飛ばされてしまいましたとさ(笑)
まあ、カキの姿が中々に鬼畜に見えたわけですが、カキはガラガラの一件でバクガメスとの絆を再度深める事に成功していたので、そこで普通にZワザを成功させた、というお手本になっていたのかもしれませんね。
…最早敵としての対応の仕方があまりにも残酷ですが(笑)

と、ここでいつもならばキテルグマがロケット団をかっさらっていくのですが…なぜか分かりませんがキテルグマが今回は来なかった事で、飛ばされた先がかなり散り散りとなってしまいました!
ちなみにここでキテルグマが来なかった理由は不明です、もしかしたらポケもんだいで明かされていたのかもしれませんが…中々にこちらも気まぐれさ全開となっております。
ロケット団も「キテルグマがコナイグマ!」とダジャレを言うくらいには焦っていましたし(笑)
「ナウゲッタチャンス!」と言い、関根さんはこう言う若いならではのセリフを設けるのが面白いですよね。
後、普通に「やな感じ〜!」とならずに空中ではぐれるあたりも、歴代とは違う形を見せていて面白いです。

と、ムサシが落ちた先はと言いますと、大きなピカチュウバルーンが置かれていたショッピングモールでした。
ここは恐らく「ピカチュウ大量発生中」のイベントとかけた感じでしょうね、ムサシが一瞬勘違いして「メガ盛りピカチュウ…!」と興奮していたところも、妙な乙女心が出ていて可愛かったと思います。
これは良い宣伝になりましたね。
そしてコジロウとニャースからははぐれてしまったものの、ミミッキュとは合流できてこれで一安心…かと思いきや!ばけのかわが一部はがれて中身が飛び出そうになっていたんです!

明らかに外だけダークマターが出ていると禍々しいというものですが…ニャースから想像図で怪談ばりに話を聞かされていたということでムサシにもかなりの危機感が襲います!
このニャースの怪談ばりの部分は明らかに想像図だとは思いますが、納涼のこの時期には妙にピッタリ合っていたのが、時期を考えていた感じがして面白かったですね。
ニャースの普通に話していたものの回想では、見せ方が驚きの表情だけで伝わりづらいですから。

さて、その事に気づいたムサシが何とか見る事なくボールに戻そうとしますが、中身が飛び出ているせいか、ポケモンだと認識されずにボールに戻す事ができませんでした。
ここも結構闇が深いところではありまして…何かしらのものを被ってポケモンと認識されない事には、モンスターボールが役に立たない、という部分を示したわけですから。
つまりはミミッキュの中身は完全なポケモンではないという事で…そういう意味でも怖いものがありました。

そんなミミッキュの機嫌直しの為と後は自分の為にと、近くにあったマラサダドーナツをお財布を持った上で2つ買って食べようとするのですが…そこでヤミカラスに取られてしまうわけですね。
正に食べ物などに普通にたかっていくカラスの如くの目の付け所の良さと頭の良さ…こういうヤミカラスの使い方が正にリアル志向を表しているんですよね。
ちなみにこのしつこさについては、後々も目を光らせていく事になりますので、そこは面白い所です。
…ここではムサシが「ガルルルル…」といった事で追い払っていましが(笑)マラサダは取られてましたけどね。
それでもこういう凶暴さこそがムサシと言えるので、キャラとしては間違ってなかったです。

と、いうわけでマラサダは取られてしまったものの、その袋を被せる事で取り敢えずはミミッキュの中身を見ずに済むことには成功しました。
…にしては、小さい目だけちょこんとある姿は中々に可愛いですね。
本体の目はこんな感じだとすると、意外とこのままでもミミッキュのキャラを狙える所はあるのかもしれません。
…そうはいってもミミッキュも「取り敢えず」という応急措置ではありますし、「ピカチュウが嫌いならばそれを被らなければいいのに」というムサシの問いに対しても、ピカチュウのばけのかわを捨てる事なくそのまま内に入れて持っているほどかなり大事なもののようです。

ニャースの3話での話によると、ミミッキュは好きでこんな格好をしているわけではなく、ピカチュウに対する思いというのはこのばけのかわから来る恨みである、と説明されていましたが、そうであっても大事にするというのは一見矛盾しているように見えます。
ムサシの意見というのも最もですし。
ですがどちらに破れた方向を傾けようとしても失敗してうなだれてしまうまでに破れてしまったばけのかわを大切に持っている…
これというのはミミッキュ自身を知る上で大きなポイントとなるわけです。
取り敢えずは、ムサシが無理やり(尻尾を掴んで(笑))ショッピングに連れて行ってミミッキュの代わりの被り物を探すことになりました。

さて、一方ムサシ達とは全然違う方向に飛ばされたコジロウ達ですが(ニャースが恐々とミミッキュを呼んでいた所や、ソーナンスがムサシとはぐれて泣いていたのが可愛かったですね)ムサシが飛ばされた方向にショッピングモールがあるのを見て「ムサシ…ショッピング…うっ、頭が…」と連想して、貯めていたバイト代が全て使われてしまう!とそのまま走って行ってしまいました!
実際、マラサダドーナツを買われていた時点で散財は目の前まで来ていたのですが、財布をムサシが管理している時点で、ロケット団はムサシの尻に敷かれてるな、と面白く感じましたね(笑)
こういう所で力関係を示すのは良いですね、ムサシのここでの散財は今の所はミミッキュへの優しさも多少は含まれているわけですし…

…しかし、その予感は的中し、ミミッキュのためと言いながらもショッピングに腕を鳴らしてしまい、自分の趣味のドレスを見つけては「一品限り」との店員の言葉につられて買い、ついでに帽子も「一品限り」という言葉につられて買いと、完全に店員にカモにされて散財してしまいました…
このミミッキュの為に来てその目的も達成しようとはするものの、簡単に店員の言葉に乗せられるこの感じ…正に調子の良いムサシの姿そのものでした(笑)
しかもそこに似合っているという店員の言葉に「知ってます〜」とナルシ的に返すのは完全にムサシしてましたね…この自分に自信を持つ感じですよ…
流石はロケット団の女王様、流石です。

と、ここでミミッキュがあまりの女王様っぷりに逃げようとしていたところを掴まれて、そのままコーディネートとしておもちゃになっていました(笑)
こういう生き物らしい反応、かなり好きですよ。
いくら怖がらせている所でもこういう勢いには弱いのだな…と思えるので。
そしてリボンコーデ、カジュアルバケツ、ノスタルジック帽子コーデなど、妙に凝ったファッションを見せてくれた後(しかもミミッキュの気持ちはともかく、意外と綺麗に収まっていたのは面白かったですね、この辺りは関根さんのセンスもあるのでしょうか?)ミミッキュは怒って飛び出してしまいました!
それは自分の気持ちも考えずにあれこれされたら怒ることになりますよね…
そこが分からなかったのはある種仕方がなかったとはいえ、ムサシは少し軽率ではあったように思いました。

さて、一方でもう一度ワールズエンドフォールをルガルガンが撃とうとするも、やはり途中で崩れて止まってしまいます。
その理由がクラスのみんなで話し合っても分からないままだったのですが、ククイ博士が頑張り過ぎているからこそ、進化したての体がZワザの威力に追いつかなくて、途中でバテてしまう事を教えてくれた事で、課題が見つかっていきます。
これに関しては体が追いついていないこともそうなのですが、サトシに迷惑をかけた分早く強くなりたいと早まったことも関係していそうですよね。
自分の本能的な行動で噛み付いてしまったり傷つけてしまったり…色々な側面があったからこそ早く結果を残したい。
その事が空回りさせてしまった原因なのでしょう。ルガルガンの気持ちがわかるようです。

ですがそこで早まる事なくきちんと基礎を見直して地力を上げていくことによって最終的なZワザの強さに辿り着いていく…それをアドバイスしたククイ博士はやはりポケモンが見えているな、と思うわけです。
しかもカキとマーマネも協力してくれる上に午後の授業は技の練習にしてサトシの特訓に専念させてあげるという柔軟っぷり!やはりこのポケモンスクールは生徒達の自主性を尊重する中で行われていると改めて感じた次第です。
クラスのみんなも優しいですしね。

と、いうわけで2つの時間軸が同時進行して来た所で感想記事の前編は終わりたいと思います。
後編はミミッキュの思いがムサシに伝わってきます!
お楽しみに。