さて、今回は海モモの感想メモを載せていきたいと思います。
それでは続きからどうぞ。

第50話「しあわせワッショイ」
脚本:北条千夏,首藤剛志/絵コンテ,演出:加戸誉夫/作画監督:とみながまり

夢見る協同組合という皆が同じ夢を見て幸せになりましょう、と謳いながらサブリミナル効果を使って洗脳していく新興宗教のお話。
この題材からしてオウムが過激になっていく92年に作られている分凄く攻めてるんですよね。首藤さんもこういうエピソードはもう作られないだろうと回想してますし。

しかもみんなが同じ夢を見る事で幸せになる、という考え方はある種社会主義を彷彿とさせるので、90年代の薄暗さを思わせる流れにはなっていたと思います。
歌を設けてパパとママも洗脳されての大行進は恐怖そのものでしたし。だからこそモモが映るもの全てを教祖と同じものにすることによって「全てが同じになる事の恐怖」を教祖に分からせたのは、信者全員の顔が教祖になってなくとも示せたのはある種ホラーオチでもあったと思います。
みんなで行進して同じ夢を、と言っているのにその信者に多様性を求めたらそれはもう矛盾ですからね。それでもみんなの見る夢を応援する為に旅に出る、と言っている時点で根本の新興宗教気質は変わってないと思わされますが…

みんなが同じ夢を持つと夢がそれに耐えきれなくなる、という構図ははち切れてしまう、というよりはそれはもう夢でなくなるという感じにしたほうが良かった気はしてますけど、それでも自由に夢を持った方が健全なのは分かる話でした。
しきりに自己存在をテーマに持ってきていたのは首藤さんらしいとも思いましたし。


第51話「ばたばたバタフライ!」
脚本:藤岡美暢,首藤剛志/絵コンテ,演出:阿部雅司/作画監督:石川健朝

鳥の様に飛ぶ飛行機ではなく、蝶のように飛べるバタフライトの完成を目指したロイドのお話。
別に飛べるなら飛行機でいいじゃないかとは思ってしまいますが(この時点で夢がないんでしょうが…)、多分描きたかったのは「現実的な方法も良いけれども、理想的な方法を捨ててその道に行くのではなくそこを貫く」という事な気がしますね。一応藤岡さん脚本になってますが、首藤さんが連名で入っていますし初っ端から首藤節全開だったことと、一見理解されにくい事を強引に理解させていくスタイルは金銀編の首藤脚本でも見たのでその類ではないかと思います。

プラスでバタフライトでの飛行を諦めかけていたロイドに、蝶の飛び方を信じてくれているとしてホロビノチョウが心で持って飛び方を教えてくれたのは、自然などの様にいつかは無くなってしまう物を忘れないでいてくれる事への感謝の面も見えた気がしましたね。
環境問題で絶滅する種族に向けてのメッセージ的作品とも取れるのは面白い話でした。このバタフライトが最後には機械不良で墜落し建物に激突した戦闘機のせいで、建物の屋上に取り残された人を救ったわけですから、古き飛行手段も悪くはないという話です。(羽ばたかせているので風をものともしない)

バタフライとの飛び方は、理想を実現したという意味で人々に感心と夢を与えたと思いますから、バタフライトが飛ぶ時に魔法を一切使わないという魔法少女らしからぬ行動も含めて、自然と魔法を伴わない夢の実現に進んでいるのが面白い話でした。


第52話「出動! おたすけ隊」
脚本:遠野秋彦/絵コンテ: 藤本義孝/演出:秦泉寺博/作画監督:三島利佳

ミンキーモモ内で脚本の一般公募があった際に映像化されたうちの1つが、趣味で国際お助け隊をやっている面々の活躍の話となりました。

脚本を書かれたのは遠野秋彦さんで、wikiによるとプログラマーの川俣晶さんのネットネームであり、アニメ感想ブログ「トーノZERO」の運営者なんだとか。話自体はモモがお助け隊に入って空気に触れると危ない爆弾のカケラを他の趣味お助け隊と共に撤去するという、まあ言ってしまえば強い軸がある話ではなかったですが、これは社会問題を取り扱っている後半の話群に混ざっているから物足りなくなるだけで、初期の頃だったら普通に受け入れられていた様な気はしています。

実際着眼点は面白いですしね。ノコッタパークがしばらく空室だったので、余を忍ぶお助け隊の基地をその近くの無人島にしたのは目の付け所がよかったですし、モモのアイスホッケーに変身する流れもカケラを効率良くかき集めるという役回りだったので、作画的にもアクションの見せ所は出せたと思いますし。
夢と希望の側面から見ると本業(それぞれ主婦、八百屋、工事業者)を持っている傍らで趣味でお金もカツカツな中でお助け隊をやっているという、ミンキーモモでは珍しい性善説的な動きも意外ではありました。本家お助け隊だけでなく超能力や僧侶等色々なお助け隊が出てきたのには面食らいましたが。

更にはゴミ捨て場からゴミを拾ってきてお助け隊の役に立たせているエコな側面も…水陸両用の船が出てきた時にはよく作ったものだなと思いましたね。
そんな一般公募作品でしたが、まあ色々やっかみを言われたようでご本人はある種黒歴史扱いしてしまった事を首藤さんがガッカリされていたのがコラムに載っていて結構切実な話だなとは思いましたね…制作時はかなり満足そうにしていた事からして色々見えてくるといいますか…
ちなみに一般公募作品の類はもう1作品ありまして、こちらは題材が難しかったのでプロットを原案扱いにして北条さんが脚本化したらしいです。