さて、今回はカーレンジャーの最終回までの感想メモを載せていきたいと思います。
それでは続きからどうぞ。

第46話「突然失効!? 変身パワー」
脚本:浦沢義雄/監督:渡辺勝也

凄い話になってきた…まさかこれまでの「絆のクルマジックパワー」を全部不意にしてくる理不尽を浴びせるとは…

中盤まで45話までで積み上げてきたカーレンジャーとしての強さを丁寧かつ存分に示して(+屁理屈に近い「5対1は卑怯だろ!→1つの力を5分割して戦ってるだけだ!」という解答ができるくらい。でもVRVファイターはVRVから成り立ってるので実質成立しているという…)、ダップに嫌々やらされていた特訓を自ら進んでやる姿や、最初苦戦したはずのノリシロン12の最終系のファイナル(前に「最終」と書いてあるダサいデザインの…)を普通に倒す強さ、ワンパーとの肉弾戦と事細かに見せた後で、
車星座を同じ星座であるエグゾスが取り込んだ事で、クルマジックパワーが一気に消え去るという理不尽を見せて一気にどん底に陥らせると…

感情での頂点を荒川さんに任せたら、今度は自分でそれすら超越する理不尽を持ってきて最後の決戦に持っていく手筈を整えると。この辺りは浦沢さんは相当鬼だし、それを「100万年に一度酒樽が流されてそれに車星座を守る星座達が酔い潰れる」という非常に馬鹿げたシチュエーションを持ってくる辺りが、星座の一面とリンクさせながらも「えぇ…」となる理不尽をこれでもかと詰め込んでいたと思う。
これが浦沢さん風「理不尽によるヒーローのピンチ」か…随分とユニークな事で…

とはいえ市太郎が描いていたカーレンジャーの絵が不意になり、シグナルマンを呼んで来ようにも間に合わなそう、ボーゾックもチーキュの一般市民がカーレンジャーに変身していたと分かるとかなり上から攻め立てる…シチュエーションだけキテレツなだけで全く笑えない事態だし普通にピンチと。(特にボーゾックの調子乗りが結構むかつくというか…)この全ての積み重ねが一気に無に帰した今、5人はどう動くのだろうか…


第47話「当って砕けろ!? 決死の宇宙ドライブ」
脚本:浦沢義雄/監督:渡辺勝也

「心はカーレンジャー」の名の下に、いざ最終決戦!

恐らく変身しなくとも強くなってきた伏線を、44話の「スパナがなくてもメカに対しての優しい気持ちがあれば直すことができる」というおじいさんの教え、45話の恭介の姿でEEムスビノフを倒した事から持ってきて、その気持ちでもって生身でもカーレンジャーとして戦う気持ちをつけることができたのは5人にとってかなり大きかったのではないか。(しかも回想以外で変身シーン一切無し!)
でも浦沢さんらしいなと思ったのが、「心はカーレンジャー」でも生身の戦いで強くなるわけではない事。やられてしまったりクレバーではない動きもいくつかある。シグナルマンの話していた通り本当に「気持ちだけで戦っている」ので相当字面だけ見ると格好悪い。

…のだけれども妙に心が熱くなるのは泥臭い人間臭さに惹かれるものがあるからだと思う。こういうのを見ると応援したくなるのは分かるし。(生身名乗りも「心はカーレンジャー」があったからこそ尚の事格好良く見えたし)
そしてそうやってボーゾックと立ち向かいながら勝てないカーレンジャーを救ったのが、そんな生身の恭介に強く惹かれ、レールに乗るのを嫌がったゾンネットというのもまた面白い所で。

ペガサスを爆発破壊するという一般市民と分かってからの一転構成でカーレンジャーを潰してきたにもかかわらず(カーレンジャーが倒してきたからコミカルでいられたんだよな…と思わされる瞬間でもある)、ボーゾックはバリバリアンごとゴミ置き場として特攻させられるという仕打ちをエグゾスからされている。その「共通の敵であるエグゾスを倒す」というのを第三者であるゾンネットに言われる、という構図はかなり説得力があったと思う。

まあボーゾックの掌返しぶりは突っ込みたくはなったものの、それはボーゾックだからであり、普通ならば「共通の敵を協力して倒す」という熱い展開なので、そこは王道だなと思った。
しかも「ゴミ」として特攻の対象になったバリバリアンで最後の戦いの為にエグゾスの元に向かうカーレンジャーというのが尚の事格好良いじゃないか。「どん底からの這い上がり」程格好良いものはないので。
…まあ、これまでの分で恭介からガイナモが殴られたのは因果応報感あったけれども(笑)エグゾスにおんぶに抱っこだった関係性にも蹴りがつけられたのでその意味でも因果応報だった気もする。
さあ笑っても笑っても次で最終回。どう締めてくれるだろうか。


第48話(最終回)「いつまでも交通安全!!」
脚本:浦沢義雄/監督:渡辺勝也

強大な力は、些細と思っているものに徹底的に足元を掬われる…というのを、芋羊羹でやってくる浦沢さんのセンスよ…

まずバリバリアンが特攻した事でカーレンジャーの力が復活した。これは純粋に熱かったし爆発を背にカーレンジャーに変身していたのもシーンとして最高だった。(特攻の際の「行くぞ!」もかなり力が入っていたと思う)
で、VRVロボを分解した上でRVソードをその前にエグゾスが串刺しにしたようにスクリューでお腹を割る。これもVRVよりも劣りながらも夢の車である原初のRVで穴をあけるというドラマが決まっていた。
なのにそれすら及ばなかったとなった時に最大の鍵になったのが期限切れになった芋羊羹なのか…

浦沢さん的には最後は巨大化ではなく生身のカーレンジャーで倒したい(「心はカーレンジャー」+それまでのクルマジックパワーの総決算として)というのと多少なりともボーゾックの手柄を作りたい、というのがあったと思うのだが、にしても期限切れの芋羊羹かぁ…
いやまあこれに関しては多少ネタバレで大まかな流れは知ってはいたのだが、これは語り草になるなぁと。しかもその前にガイナモが巨大化しようと芋羊羹を食べてお腹を壊すという丁寧なフリまでつけて。これは4話でコンビニの芋羊羹を食べると小さくなる、というのを分からなくともちゃんと伏線になっている面白い仕掛けとも思った。でもまあ…と思う気持ちも。

そして最後はラストのオリジナル技クルマジックアタックで撃破と。生身だからこそ、そして自らの夢をのせた夢の車と元であるクルマジックパワーを模した技だからこそエグゾスを本当の意味で倒せたと感じて感慨深くなった。
そんなわけで仲良くパーティを開いた後は面白後日談タイム。ボーゾックの一味が劇団を開いている事、ガイナモの焼肉はまだ分かるが、グラッチとゼルモダは小学生かぁ…良く小学校側は許したなと思っている。
ゾンネットはお見合いにヘキヘキしていたがそうしている間にちゃんと恭介は掴んでおけよとは思った。まあ超遠距離なのは間違いないが…

シグナルマンは試験に向けて勉強中という事だが、先は思いやられる気がする…
ダップとVRVマスター、5人はいつもの生活で楽しそうに暮らしているのでこれにて一挙に解決といったところ。最後は詰め詰めだったけれども見たいものは見られたので満足だった。


というわけで統括だが、やはりガワのギャグの見せ方は相当なものだったけれども根っこの部分は結構凝った事をやっていたシリーズだったと思う。
曽田さんの本筋にあまり絡まないながらも肉付け専念で綺麗にみせてくれた仕事ぶり、荒川さんのダップクリスマス3部作の熱さに代表される本筋も絡めた横軸としての働きぶりに呼応するように、
それらを受け継ぎながら(47話での「心はカーレンジャー」の回想の殆どが荒川さんと曽田さんの脚本群だったのがそう)かなり丁寧に浦沢さんが構成するという結構理想的な部分が見えたのが大きい。

特にレンジャービークル誕生からのRVロボ合体の流れ(5,6話)、シグナルマン離脱とダップ冬眠による大ピンチからのVRVマスターの絶妙なバフイベント(27〜31話)、RVロボ奪還の為の恭介の頑張り(32話)、それまでのクルマジックパワーの絆を全て不意にする理不尽+それに立ち向かう「心はカーレンジャー」の精神=どこまでも熱い復活劇(46話〜48話)辺りは構成の妙が見えたので流石なものと思わされた。
ガワがアレだからこそ(挙げるだけでもピザの交通違反、七夕伝説に水を刺す野生の車、巨大ロケットに引っ掛けて運ばれるクソダサ怒りのジャケット、排気ガスを吐き出すゲップ等)ネタにされてる部分もあるけれども、要素だけ抜き取るとちゃんと王道を突き進んでいる(旧ロボの洗脳、洗脳された仲間を助けた上での共闘、バフイベント、油断した末路、理不尽からの這い上がり等)ので、展開を見る分には全然違和感なく見られて純粋に熱くなれたのが良かったと思う。

まあペガサスの社長夫婦が中盤から出てこなくなったり(市太郎はシグナルマンと仲が良くなった事もあって最終回まで出てきたのに…)、所々説明が唐突になったりした部分はあったけれども、それよりも縦軸の進め方が横軸の時間をそこまで設ける事なく丁寧に進んでいたので個人的にはあまり気にならなかった。

カーレンジャー個々のキャラ回がそこまで無くとも総合的に愛する事ができたので。キャスト陣も30話台からかなり演技にコミカルさを含めてきてこなれてきたように感じたのも面白くなった要因だろう。
というわけでイロモノのようで言うほどイロモノに感じなかった浦沢さんの色満載の王道戦隊でした。(見てませんが多分「ゼンカイジャー」や「ドンブラザーズ」の方がイロモノ度合いではある気がします…)ありがとうございました。