さて、今回は遂に始まりましたかのかり4期の感想を書いていきたいと思います。
それでは続きからどうぞ。

第37話「日常と彼女」
脚本:広田光毅/絵コンテ,演出:古賀一臣/作画監督:斉藤千比呂,熊谷香代子

長すぎるハワイアンズ編の開幕…今カノ(仮)とレンカノの狭間で、和也はどう動いていくでしょうか?

というわけで古賀監督が帰還してからのかのかり4期スタートですが、原作通りではありながらクラファン編が終了してからの日常スタートなので、1年越しのスタートには丁度良い流れだったんだなと思いましたね。
大学スタート、るかと千鶴の対比等々…最初に和也の劣情発散スタートという辺りからして、非日常の和也の株上がりポイントを宇根さんに監督を任せたうえで、いつもの空気感で古賀さんが戻ってきた、というのも分かる気がしました。(多分スケジュールの問題というのが一旦交代の理由の主だとは思いますが)
古賀さんが監督に戻ってきたといえば、次回予告が戻ってきたのも大きかったですね。今回は作監が2人、総作監が4人というアンバランスな体制でしたけど、制作体制が安定しているのが古賀監督の良い所だと思うので、それが戻ってきたのも大きかったですね。

という統括ですけど、ちゃんと日常が戻ってきた所からスタートするのではなく、ハワイアンズ編、という事でハワイアンズでの告白未遂の部分を冒頭に持ってきた所は、シリーズ全体の見せ方として良かったと思います。
和也のモノローグはレンカノに告白しに行く男の悲哀、みたいなところが強調されていましたけど、この自己評価低め、劣情全開の和也のキャラカラーの中で告白しよう、という勇気は買いたいとは思ってます。
…まあそこからの開幕発散が出てきた時点で、株上がりの3期からのいつものに戻った良くも悪くも安定感を感じた次第です。

そんなスタートでしたけど、古賀監督の上手さと感じたのはちゃんとここから見ても楽しめるように演出で工夫されていた事ですね。
大学のシーンでの3期の高速回想もそうですし、るかの台詞の中であった「休戦はここで終わり!」を和也のモノローグで聞こえなくてもいいようにした、という点も時間短縮の面でも良かったと思います。
3期を見てなければ「休戦」の意味合いはピンと来ないですし、その後の千鶴に渡す気はない、の台詞で何となく事情は察する事ができますから、良い切り方だったと思います。

後気持ち原作でもあった描き字の画面に占める割合が大きくなっていて、比例して和也のピエロぶりが上がっていたようにも感じました(笑)
それ以前でも描き字は挿入されてましたけど、今回は漫画内で吹き出しが無くなった分大きくなったように見えたわけです。
特にアニオリの和也のろくでもない妄想シーンの中の「このへんうろおぼえ」や和也のイケメンシーンに「コピペ」を加える辺りが、古賀監督の和也の扱い分かってるな、というのが見えて面白かったです。
和也といえば、るかや千鶴のフェチズム的な描写は原作でも存分に描かれている分、アニメで動きが盛られてるのが和也になってるのが「どういう力の入れよう?」と笑ってしまいました。

それと演技の面ではるかの小動物的な可愛さと、千鶴のナチュラルさの対比ですよね。
今回はるかの温泉デート(?)と、千鶴のカフェデート(?)の2つがあったわけですが(かのかりは進みが遅いので普通にやっても原作4話分やれるという…)、その中で身体的アプローチを可愛く取りつつ、今カノ(仮)として上げて行こうとするるかと、
普通にしていると凛とした美人だけれども、内心クラファン編の事があったからかなりドキドキしている千鶴と、
現状「彼女」として和也の周りにいる2人の魅力のようなものを、雨宮さんと東山さんの演技で補強されている感じがあって良かったと思います。
特に東山さんに関しては、同じ古賀監督作品である「合コンに行ったら女がいなかった話」の琥珀でボーイッシュ気味の演技を聴いていたばかりだったので、可愛さ全開のるかの演技を聴いて「そういうえばこのタイプが主なんだよな」と改めて思ったのはありましたね。
あ、墨に関しては冒頭の発散シーンにてモザイク代わりに登場してましたけど、この4期では3期の麻美ばりに出番がなかったように記憶しているので、どう登場していくのかは気になる所ではあります。

で、本筋の方は日常が戻ってきた中での千鶴と和也の関係性、というのがハワイアンズでの出来事含めて描かれているのですが…
まあ原作の方が疑似同棲(正確にはみにがいるので疑似と書きました)をしながら、デートに臨みながら、千鶴の気持ちがはっきりする事がなく表面上はフラれる、という話の進みが遅すぎる状態なので、4期で描かれる事もお察しではあります。(それでも何だかんだでマガポケアプリで話数購入して見てるので、自分の何だかんだでかのかり好きだな、感はあります(笑))
ただ話が大きく動くターニングポイントがハワイアンズ編である事は間違いないですね。流石原作で1年近くやったシリーズだけあります。(長すぎますけどね…)

そしてこの1話では、1%の弱さに寄り添えるようになりたい、という和也の姿勢がお金周りでの千鶴の会話で描かれていたのは良かったと思います。
じゃあるかとも早く別れれば?という話についてはそれはそう、としかこちらとしても返せないですけども…クラファン編を通じて和也と千鶴の仲が深まったのは確かですね。
何せお金の話もありましたけど、るかとの現状を聞く為という理由付けだけで和也と会う時間をレンカノ抜きでセッティングしましたからね。最初期の頃を考えると本当に変わったなと思わされました。

という、EDでの3期までのヒロイン場面総集編も含めて一旦の振り返り話にはなりましたが、メタ的に見ても唐突過ぎる「ご飯いかない!?」の和也の言葉から2話はどう動いていくでしょうか?