さて、今回はトッキュウジャーの感想メモを載せていきたいと思います。
それでは続きからどうぞ。

第37話「理不尽クイズ」
脚本:大和屋暁/監督:中澤祥次郎

人間、どんなに理不尽でも決断しなければいけない時が来る…そうなった時に「何かを犠牲にする事をしない決断をした」と言えたトカッチは正に子供の理屈に真正面から向き合っていたと思う。

明がシュバルツ将軍から言われていたのは、自分の仲間にトッキュウジャーよりも何よりも捨ててなる事…明は真面目過ぎるからこそ従うだろうと。
ただし緊急時にはという話な分、生き急ぐように昴ヶ浜を見つけて逃れようとする様は、正に「そのシュバルツ将軍に逆らう」という選択肢を自分で捨ててしまっているからこその違和感だったと思う。
現に3つ目のシャドータウンが昴ヶ浜でないと引き返そうとして、5人から不審がられていたので…思い込みも含めて難儀な性格だなとは思うけれども、それだけ自分基準では真っ直ぐという解釈もできるかと、この回で思った次第。この辺りは大和屋さんのキャラ解釈の解像度が高い事を思わせて良かったと思う。
トカッチについても明が諦め気味に「決断を下さなければいけない時が来る」と現実論を語り、自身も優柔不断で悩む中でその優柔不断をポジティブに捉えた「どちらも捨てない」という決断をしたのは、上にも書いたようにイマジネーションを損なわない形で成長を見せたなと感じた。好きな相手であるミオからも優柔不断と言われて落ち込んでいたのに、だ。

他の4人も同様、シャドータウンとなってしまった原因である理不尽クイズ(どちらに行っても危害に遭う)を強引で突破(特撮恒例の爆発突破。これ相当怖いと思うがみんなよくやるよな…)した事でトカッチの決断を強固にしていたのも面白い。
とはいえ、決断に対して受け入れる事ができるか、とトカッチと約束していたのでまだ明の中で裏切る選択肢はないとも言えるこの辺りをどうするか…(指切りという子供特有の約束の仕方でトカッチと守る辺りも良い描写)
シュバルツ将軍の方もネロ男爵とやり合っていたのでこちらも余裕が無いと来ているので、かなりシャドーライン周りの事情は切迫していると言えるだろう。
ゼットはグリッタ嬢を切るタイミングが分かったという感じになっていたが、果たしてそのタイミングとは…?

そんな本筋に関わる話をきちんとこなした大和屋さんだけれども、ナイトの声が銀魂で新八の声をやった阪口さんだったのは偶然としても、速度解放要因の馬をジャスタウェイと名付けてる辺りは完全に狙いに来てたなと(大和屋さんの持ち馬)。それを時間制限の中で一気に攻撃を仕掛けられ動きを封じられて最後は2号のハイパー化によって倒されたんだから、非常にわかりやすい倒され方だったとも思った。


第38話「映画をつくろう」
脚本:大和屋暁/監督:中澤祥次郎

フィルムシャドーによる展開としての肩書を全て覆していくスタイルの5人…多分この回はスタンスの話なんだろうなと思わされた。

何を真面目な事を言ってるんだ、という話にはなるが、フィルムシャドーの筋書き通りに進むという事は、敵が思う道を進む、即ちピンチになるという事だから、
それに抗おうと無意識ではあるもののカグラが監督をやって映画をめちゃくちゃにしたり、かなり久々のけん玉探偵が出てきて演者や監督が囚われている場所を探したり、戦闘面ではセオリーを崩しつつ最近使っていたハイパートッキューを使わずにレンケツバズーカで倒したりと、
かなりめちゃくちゃやりながらも「なんとかなる」をそのまま行っていたように感じた。

現にメチャクチャになったはずの映画も、プロデューサーが見てきた色々をフルCGとして落とし込んだ事で、好評価を得た映画になったので、そういう意味では子供特有のセオリー外しは功を奏すんだなと思ったものだった。
ちなみに久々のレンケツバズーカは、けん玉探偵で大活躍だった守衛を戦わせた事。この守衛が喜多川2tomさんという大ベテランのアクターさんという事でそれはあれだけキレも良いよな…と思わされた。(しかしけん玉探偵というよりは守衛が名探偵なんじゃ無い?に周りが有能すぎると探偵がまとめ役でしかなくなる難しさがあるか…とまだコナンをやる影もない頃の大和屋さんの脚本回で思った次第)
まあそれにしたってカグラのなりきり監督はファンシーに寄りすぎていたというか…元々演技ができなさそうな明やトカッチを巻き込んでいたので相当なものだったなと。

ちなみにこの回にて癒しとなった大和屋脚本、そしてパイロットの中澤監督の登板が終了という事で、パイロットの中澤さんが最終回取らずにニンニンジャーのパイロットに行ったのは残念だが、こういう回の積み重ねがニンニンジャーに活きたと思うので、その予行演習も兼ねていたのかな?とすら思った。
さあここからは靖子さんの独壇場。どう締めてくれるだろうか…


第39話「終わりの始まり」
脚本:小林靖子/監督:竹本昇

闇減りの時期が来たからこそのシュバルツ将軍の明を連れての行動開始…同時に明の出番の総集編にもなっていたと思う。

同時に明らかに闇を集めるにしては馬鹿らしいシャドー怪人の出動が続いたノア夫人は、徐々に闇を減らした上で今回はその闇を無駄に使って弱体化している中古シャドー怪人を生み出すボセキシャドーを脱獄させたと来たので、シュバルツ将軍共々クーデターの準備は万端と来た。
なのでゼットがグリッタ嬢のキラキラが輝いているのを受けて、闇の力が減っているのも納得できるから、ここからどう盛り返していくかがシャドーライン側の鍵になりそう。
ネロ男爵は近くにいるからいざとなれば力になるだろうし、モルク侯爵も基本は出来る人なので…

ただボセキシャドーが出したシャドー怪人が悉く明に関わる事だったので、最後の明の裏切り展開含めてトッキュウジャー5人が曇る結果に…明を「変な奴」だからとあまり向き合おうとしなかったのはリアルであり、別にそこは5人はそこまで悪くなかったと言えるので、今回の件で向き合えると良いのだけれども…
ちなみに闇減りの原因はクリスマスシーズンでイマジネーションが高まっているから。となるとここを過ぎたら一気に最終回まで加速するという事だから、4クールに入ってからの山場もここに何かがありそう。

…というかTTFCの話数一覧でなんか黒い1号が見えたので、何かしらでライトが闇堕ちする場面が出てきそうなのはネタバレ感覚で知ってはいるのだが、まだその理由は知らないので取り敢えずは大丈夫という事で…
ひとまずは明と5人の向き合い、どうなるか…