さて、今回はかのかり4期の感想を書いていきたいと思います。
それでは続きからどうぞ。

第38話「溜め息と彼女」
脚本:広田光毅/絵コンテ:カサヰケンイチ/演出:中野彰子/作画監督:谷澤泰史,武口憲司, 權容洋

多分和也と千鶴は「自己評価が低い」という点で似た者同士何だろうな…と、ゴーイングマイウェイ過ぎる麻美との対比でそう思いました。

という、ベテランかつ知名度ももあるカサヰさんのコンテ回でしたが、前の回がおさらい回なら、今回はハワイアンズ編に向けての和也と千鶴のそれぞれの立ち位置、そこに割り込む麻美の全体的な構図の縮図を見た気がしました。

…その前にOPで度肝を抜かれたんですけどね。「推しの子」副監督である猫富ちゃおさんによる、本編と全く関係ない「和也の夢」という事で全部を可能にした凄まじいファンタジー描写でした。
クオリティは、「推しの子」のキャラデザもしている平山さんの為に「推しの子」スタッフが集結しているので凄まじいのは確かなんですけど、ちゃんと今回の本編同様、筋に通っているのが凄いんですよ。
千鶴奪還の為に団結するるか、墨、みにの3人に、何だかんだ千鶴の隣にいるように外見を変えてくれる和、何かドラゴン使いのラスボスになっている麻美、
そして着飾っても結局村人の服装に戻って、助けようとしても不格好になりながら、千鶴も飛び出して2人で奪還作戦が成功する事になる、という風に、正にこれから見るハワイアンズ編を見ているような形だったのが素晴らしかったわけです。
…まあ、作画クオリティやファンタジー要素的に本編と世界観は乖離しまくってるんですけど、夢なら何でもOKという事で…

さて、本編ですけど、演出面では相変わらずの描き文字のデフォルメ感(「ぼーーっ」の千鶴の可愛さも強調出来ていたと思います)、「私の事好き?」と聞かれた時の和也の理解が明らかに追いついていなかったホワイトアウト描写、そして「付き合いたい!」の時に居酒屋の柱に抱きつくのではなく、水着の千鶴の抱き枕に抱きつくという、いつもの和也のアレさを強調した演出への変更と、流石はベテランという堅実な働きぶりだったと思います。
こちらもベテランでありながら「演出もできるんですか!?」となった中野彰子さんの演出もきっちり良い風に仕上がっていたと思います。相変わらず本編4話分でアニメ1話という進みぶりですしね。

ストーリー面では、クラファン編が終わって肩の荷が下りた千鶴が、サイゼリヤでの飲みで思いっきり感情を崩していた事に、和也への信頼と子供っぽくなる可愛さを感じる事ができました。
和也の千鶴に向けての認識は、想像では相変わらず1期の時のダメダメ和也にまくしたてていた時と同じになっている辺りに、上にも書いた自己評価の低さが凄いんですけど、千鶴からしたらどんな時でも相当意識してしまうレベルなんだから、もっと自信を持てばいいのに…と思ってしまうんですね。
何せ視聴者の僕でも、サイゼリヤに行く辺りに大学生感を感じつつ、酔った時のゲラぶりに和也と同じな気持ちになりましたし。雨宮さんのそういう演技を聴き慣れてなかったから新鮮だった、というのもありますけども。
(今回の出番がご飯に誘う時のイタい言説をスクロールした時に、目の保養としてでてきただけだった)墨が好きになった和也は、他3人には見せる事はない自然体な和也だったわけなので…(これは昔の感想記事でも何回か書いているとは思います)

これに関しては千鶴も同様で、和也と嘘の関係だったと小百合に伝えられないまま、和に話すと軽蔑されてしまうと後ろ向きになっている事からも分かるように、自分は結局何も変われなかった、と立ち止まっているのが今なんですよね。
だからこそ1期の頃はかなり和也につっかかっていた所から逆転して、和也の変わっていく姿を見て相対的に自己評価が低くなっている、というのはあると思っています。
これに関しては雨宮さんの「どうやって?」の演技の絶妙さや、明らかに和也の矢印の行方を推測していながら「頑張ってよね!」とごまかしたりの描写からも分かりますね。「今の和也と自分は釣り合っていない」と思っているという感じです。
傍から見たら「嘘だろ!?」みたいな形ですけど、実際千鶴視点から見たらそうとしか見えないんだから凄い物です。最新の原作でも自己卑下が凄い事になってましたしね…

それに比べると、和のテリトリーに経営学部として入り込んで、和也の事を引っ掻き回しながら底が知れない麻美の恐ろしさが凄い事になってました。
かのかりについては演技力としては雨宮さんと悠木さんが圧倒的だと思ってますけど、和也と対面した時の麻美はぶりっ子の「演技」を全く崩していなくて掴み所が無さ過ぎてやっぱり凄いな…と思ったものなので。
この辺りの原作は正直そこまで覚えていないのですが、確か麻美がここまで和也と千鶴の間を和のテリトリーに入ってまで引っ掻き回そうとするのは、自分が捨てた男が別の女が関わる事で幸せになるのが許せなかった、みたいな話だったと思うので(違ったらアレですけど…)、歪みとは凄まじいと思うわけです。
それでもそれを全く感じさせないのは、いくら和也が麻美に最初から今まで振り回されている、という前提があるとはいえ結構怖いな…と改めて思いました。表面上がゆるふわあざと口調なだけ尚更です。

さて、そんな互いの自己評価の低さと、いつまで経っても告白できない和也の足踏みという、後者は実にかのかりらしい展開が続いていますが、3話ではどうなるでしょうか。