さて、原作にて突然のキスシーンが出てきて妙に話題沸騰中のかのかりですけど、別に千鶴がメンヘラとか思ってはいない(振ったのは保留の意味合いが強いですしね。荒れたのは諸々の経緯故に残当感強かったですけど…)ですけど、いきなりそれが同居の別れ際に繰り出されたわけなので、それが見る事ができた高揚感よりも「何なんだよ!」感が出てましたね(笑)
そのリアクションは和也のラストカットの反応が全てですから今後どうなるんでしょう…

という原作のかのかりですけど、こちらでは勿論アニメの方の感想を書いていきたいと思います。
それでは続きからどうぞ。

第39話「代官山と彼女」
脚本:広田光毅/絵コンテ:宇根信也/演出:中野彰子/作画監督:谷澤泰史,武口憲司(グロス:マル画ファクトリー)

声がつくと、千鶴が心の奥底では「一ノ瀬ちづる」としてナチュラルにいたいんだろうな…というのが強調されていたのが良かったと思います。

というわけで、前監督である宇根さんのコンテ回でしたが、絵の構図自体はほぼ漫画まんまだったので書く事は回想の時の動画再生の描写くらいですけど、ここでも原作4話分の消化ノルマを達成したのは評価すべき所だと思います。
かのかりの原作はとにかく巻けばまく程見るテンポ感としては上がるので、このくらいしても良いとは思うのですが、その中でシステム的な部分(チケットがLINEで送るやQRコードの件等々)や代官山の公演での千鶴評を全カットしてそれを実行できたのは良かった、という話ですね。
後は和の麻美の参入について話す部分もカットされていて、現状ED映像がない所もカットして、という感じで、テンポ感を重視しているのが伝わってきたので。

そして本編の方では代官山での映画完成パーティに千鶴と和也で行く、というのが軸でしたが、ここで見えてきたのは千鶴にとって高ステータスの場というのはガワでは似合うんでしょうけど、本人的にはあまり気が進まないという事ですね。
ガワの話は、まあいつもの和也の千鶴の高ステータスぶりに劣等感を感じる、という流れではあるものの、業界人の中でも違和感なく溶け込む事ができている、という意味では女優の素質があるんでしょうけど、
海の態度に代表される「ステータスが上な人間故の立ち位置の違い」のはどこか据わりの悪さを感じているのは、二次会に行かなかった事や海との会話後のテンションの低さから感じ取る事は出来ました。
パーティ内の人間の視聴者から見ての場違い感もそれはあるとしても、ですね。

この辺りは上にも書いたように、海の妙なテンションの高さが混じりっけなしに和也への関心から来ている、という所をクローズアップすれば分かりやすいでしょうか。
3期が1年前というのもあって海の石川さんの演技を最初に聞いた時には、「海君こんなにテンション高かったか?」と思ったものです。千鶴の事が好きな感じを出しておいて、和也と共にクラファンで映画を作った事はそこまで良い感情を抱いていない…かと思ったら、クラファンに興味津々という感じでしたから。
ですが和也の事を無意識&ナチュラルに下に見た上で、友達になれそうと横に並ぼうとしている辺りが、そのまま完成パーティにいる業界人を象徴しているような気がした、と考えると納得できるんですね。クラファンについても本気で和也を尊敬しているような感じでしたし。
「好きじゃなくもない」については複雑な思いを抱いているのは確かとしても、それでも「和也が自分に勝てるわけない」と無意識的に思っているこのナチュラルボーンの下に見てる感じが、海に対しての妙な違和感に通じるとも思うわけです。別世界の人間が現世の人間に話しかけているみたいな感じですね。
海の自撮りの時に、和也の超微妙な表情に対しての、海のナチュラルにウィンクしている表情もそれを象徴してますね。こういうのって意識的に悪意を向けられるよりも無意識にされる方がタチが悪いので…

そしてその業界人としての部分は、和也とのツーショットの後の千鶴への話しかけでも、内容は明かされなかったものの、多分「千鶴は自分と同じ」感出してきたんだろうなぁ、と想像できるので、まあガワの煌びやかさと正反対に相当庶民的にナチュラルでいたい千鶴からしたらあまり良い物ではなかった、とも想像できます。
業界人と接している時には声のトーンは高めでしたけど、今回ラストに回想として出てきた和也へのレンカノとしての第一声の声の高さもあって(改めて聴いた時こんなに高かったんだ、と驚きましたし)「余所行きの声」という感じが出てましたし、寧ろ和也と話している時がナチュラル感が出ていて「素の"一ノ瀬ちづる"」なんですよね。

そこに和也が気づいていなくてガワの煌びやかさが眩しくて「千鶴はあちら側の人間」と思っている辺りが、いつもの如く「そういう所だぞ」感ありますけど(業界人のアプローチに「大人の顔」をしていたのもお前は千鶴の何なんだよ感ありましたし(笑))、
千鶴にとっての居心地の良さは、自分らしく居られる和也の隣、と改めて見えたのはいじらしさがあって結構良かったと思う描写でした。
そういう意味で千鶴の存在ってそもそもが矛盾していると言いますか。ガワだけ見るとちゃんと女優っぽいんですけど、心の奥底を見てみると女優向きではない、という感じで。多分憧れの対象が「純粋な演技でのみでインパクトを残して、その先に進まなかった」小百合だから、というのがこの矛盾を生んでいると思うのですが。
だからストイックに見えてかつ「彼氏はいらなそう」に見えても、最後の和也に話した「好きになったら付き合いたい」という普通の女の子の部分にも違和感がなく見えるのが面白いと思いました。

まあそこで千鶴を渡したくない、と覚悟を決める和也のカットで今回は締めたとしても、原作の現状が現状なので何ともなぁ…と思っていたら、最新の原作がアレだったのでもう何が何やら、という感じです(笑)
まあ告白はちゃんとハワイアンズ編でしていた…はずなので、そこは大丈夫だと思います。
後細かい所は、今回は北守さいかさんが演じられている肺魚が大活躍でしたね。和也の身近にいるツッコミ役の立ち位置ですけど、今回は特に和也にとってステータスの高い所ゆえにそこが多くなったのはあるんでしょうね。
後、和也は麻美が「自分達の事をどうでもよくなった」とモノローグで話してましたけど、実態は真逆なのだからこの後の仕掛けが和也と千鶴にとって相当な物になるのが分かるという物で…

という感じで感想は以上ですね。次回はその周りが動き出しそうで暗雲が立ち込めているといいますか…アニメでどう描かれるでしょうか?