さて、今回はかのかり4期の感想を書いていきたいと思います。
それでは続きからどうぞ。

第47話「罪悪感と彼女」
脚本:広田光毅/絵コンテ:木下大悟/演出:小泉まりえ/作画監督:武士鵬,申羅羅(グロス:青猫屋)

千鶴に寄り添いたいけど出来ないもどかしさ、和也の中にある"かもしれない"麻美の存在に足踏みする千鶴、そして千鶴の自分の中での存在感が大きくなっていくからこそそれを繋ぎ止めている和也の評価が上がっている和…もうどうにもならないですねこれは…

という、和也と千鶴の関係性においては、完全に「詰み」の状態になってしまった話となりました。
コンテの木下さんは原作構図+αの感じで結構見やすい形にしてくれたのはそうですけど、今回は結構演出周りが凝っていたように思いました。
特に化粧室での千鶴と麻美の会話がそうですね。「和くんと結婚するの?」の所で手前の麻美にピントを合わせるのではなく千鶴に合わせる事で、麻美の登場の異質感を出す事に成功していましたし、千鶴を追い詰める所では物理的にも千鶴が壁際に追いやられていましたから。
プラスで構成も珍しく結構凝った事をしていて、本来和との絡みの所で出る和也の「(千鶴が悩んでいる事に対して)2人で分け合いたい」というモノローグを、千鶴の「貴方は麻美さんの事まだ好きなの?」のモノローグの1つ前に先出しする事で、和也と千鶴の想いのすれ違いを綺麗に演出で来ていたと思います。
そして最後は、これまた和の「嘘」に勘づく所を麻美に知られるところを先出しと。ここは影の使い方が上手くてある所では陰、ある所では陽となっていて良い具合に矛盾を演出していて良かった所でした。

そんな演出面で凝った話でしたが内容の方も結構伴っていて、千鶴の自己肯定感の低さから来るある種主人公気質な所が出たすれ違いになっている形ができていましたね。
千鶴が和也と自分は釣り合っていないのではないかと感じている、というのは感想記事にも書きましたけど、それが和也が麻美に対して爆弾娘だと思い込んで罪悪感を抱いてしまった事から思いっきり表に出てしまった形です。
それだけ罪悪感を抱くという事は、和也はまだ麻美の事が好き"なのではないか?"、この推定の気持ちが、麻美が暗躍して自分達を本当の意味で陥れようとしている推測を完全に和也と共有できていないわけなので。
和也の中の麻美の像を失望させるわけにはいかないと。和也としては視聴者から見ても呆れるくらい千鶴に真っすぐなのにもかかわらず、です。
その辺りが上の構成上での良い点に書いたすれ違いの所で顕著に表れている、という感じですね。和也は千鶴が困っている事には分かち合いたい、と思っているのに、千鶴は自分に自信がないのでまだ和也の中に麻美への想いがくすぶっていると思い込んでいるわけですから。

このすれ違いがもどかしい所ですけど、麻美はその千鶴の足踏み状態も織り込み済みで近づいてきているのが質が悪いんですよね。
自分が世間一般の総意です、みたいな顔で「レンカノが1人の男の人に肩入れするのはおかしい」「そのままにするとつけあがる」と言っているのはこれまでと一緒なのですが、今回はそのナチュラルさに語気が強くなって必至感が出てるんですよね。
最初この演技を聴いた時に「あれ?いつものナチュラルさじゃないんだ」と思ったんですけど、
和が聞いているのを知った時点で寸止めして、本音の声で「楽しー」と言っている、笑っちゃうくらいの演技の清々しさを聞いて、「これは今の状況の悦に浸っている「劇のヒロイン」気取りなんだな」と感じた次第です。これは圧倒的に悠木さんの演技の上手さの流石さが出た形でした。

そしてそこで引き出された千鶴の「お客様」の発言ですが、麻美からしたらそれなら深くは関わらないよね?というスタンスなので、尚の事和也との関係性の歪さが際立ってイラつく原因になっているんですよね。
だからこそぶち壊したくなると。千鶴の「結婚する気はないけどお客様として客観的に接する事はしない」という中途半端かつ優柔不断なスタイルが気にいらないのが露骨に出てる感じです。
まあ千鶴のこの点については最新話でも変わっていないので難しい所だな、と思うのですが、だからといってぶち壊して良い理由にはならないのは確かなんですよ。
鍵垢のコメントでは「悪者みたく」と書いてますけど実際悪者ではありますから。それだけ千鶴に対して執着しているのが麻美の今、という感じですね。
和也はそれに付随する存在、という感じでターゲットという感じはしませんから。その上でその優柔不断さを利用しているわけなので強かな女だな、とは思うわけです。
その余裕さがハワイアンズ編の最後の最後で一気にひっくり返されるわけですが…

そんな中での和の和也への礼ですが、これはハワイアンズ編を通じて和の中の千鶴の存在感が上がった事で、相対的にそんな千鶴を繋ぎとめている和也の評価が上がった事によるものですね。
これによって和也は「嘘」だと言う事ができなくなって詰んでしまう形となったわけですが…ここまで期待を持たせたらそれはひっくり返されたら大変でしょうから。
さて、そんな中で次回がかのかり1クール目の最終回となるわけですが、果たして和也はどう行動するのか?という点を楽しみに見たい所ですね。