さて、今回はキラメイジャーの感想メモを載せていきたいと思います。
それでは続きからどうぞ。

第24話「バンドしちゃうぞ!」
脚本:井上テテ/監督:竹本昇

音楽は人の心を救う…というどシンプルなテーマにどシンプルな曲で乗せたその作りの浅さが逆に良かったと思う。

話自体はかなりテンプレ的なのでそこまで語ることは無いものの、「バンド指導」という事は多分キラメイバンドの面々はガチで弾いている(しかもコーラス以外はオーバーダブ無しっぽい)となるので、それが素朴さと音楽の原初を見た感じがして良かったかなと。まあど素人の段階から完徹してそれなりに弾けるようになるだけやはりキラメイジャーの5人は全員才能があるというものだし。(完徹でのバンド練習は僕もやった事があるので懐かしいなぁと)
話としても中々音楽に対して好きなのに病気によって後ろ向きになっている幸也を励まそうと、小夜がバンドを組んで幸也の作っていた曲をみんなに届ける、という趣旨だったので、それを素朴な形でみんなを楽しませていたのは、幸也にとっても救いになった事だろう。(にしても反応の仕方がツンデレみたいで面白かったけれども)

宝路もローディとしてみんながバンド演奏をしているのを邪魔する事なく、前線で戦っていたのでそこはマブシーナ救出の経験が活きていたし、幸也を闇に取り込んだ経緯もヨドミヒメの流れを汲んでいたので、テテさんは過去作の組み込み方が上手いなと思った。
しかしガルザのノリノリでド下手なギターをする感じはなんなんだ…もう完全にネタキャラと認識してくださいと話されているような感覚になるな…
最後に、アンテナとジュークボックスを知らないあたりが凄く令和してたな、とだけ。


第25話「可愛いあの巫女」
脚本:荒川稔久/監督:山口恭平

ヨドン皇帝の秘書官であるヨドンナ初登場…無感情なようでいて結構上から来るタイプのキャラだったな…

というわけで話には聞いていた敵側のヒロインというべき存在のヨドンナだけれども、(為朝の惚れた弱みの謎テンションはともかく)かなり人を見下しているからこその高圧的とも取れる態度だったなと。
一人称が「ボク」で、かつ人間の価値を闇エナジーを与えてくれる存在としてしか見ていなくて、かつ格好はセクシーと程遠いタイプのかなりかっちりとした秘書官スタイル、という特性もりもりのキャラなので、逆にコテコテで良いなとは思った。
演技自体は多分そこまで上手く無いんだろうけど、それが逆に人に対しての感情がこもってない感が逆に出てて面白いなと思った。顔が美人なだけあって尚更、という感じで。

ここで鍵になってきそうなのが、現状タダのアホなバクダン邪面(10人倒さないと爆発しない爆弾って…)をどう生かしてくるのか、そしてゾンビ状態の雑魚敵をどう切り抜けるのか、そして別枠にはなるがエネルギアのカナエマストーンが埋め込まれてしまったモンストーンをどう倒すか、この3つだろう。
ヨドンナが秘書官ならではの懇切丁寧な説明によると、パワースポット内にヨドンへイムとのトンネルを作ることで侵略を容易に出来る、とのことなのでそれを阻止する事が最終目標。後はそこに向かってどうキラメイジャーがパワーアップできるかだろう。

現状ヨドン皇帝が表に出てきていないのでどういう思惑があるかわからないが、不死鳥を模った神社がある事がやはり一つ鍵になりそうな気がする。
その力で明らかに単体での力が強そうなヨドンナにどう対抗するか…楽しみではある。


第26話「アローな武器にしてくれ」
脚本:荒川稔久/監督:山口恭平

「限界は超えないためにある」という信念のもと生まれたキラフルゴーアロー…正に令和的考え方でありきちんとヒーローの王道に則っているのが面白いなと思った強化モードだと思わされた。

このキラフルゴーアローにキラメイジャーの全てが詰め込まれているのが正にメインの荒川さんの書く脚本だなぁと感嘆させられた。
エネルギアの力でパワーアップするのは良いけれども、ゾンビ状態の敵が泥に塗れ、エネルギアを取り込んだモンストーンが最終的に細胞崩壊を引き起こした事を考えると、間違いなく最悪な自己犠牲を引き起こす事は間違いない。
それを示した上で、キラメイジャー6人それぞれの輝きを消さない方向に持っていくための強化アイテムとして、100秒しか持たないキラフルゴーアローというのは、メタ的に見ても100秒という限られた時間での戦略性も見る事ができるし、その時の動きも弓矢の動きも取り入れながらかなりアクロバティックでメリハリもつくので、その意味でも上手いアイテムだなと思わされた。

常時強化状態だとイマイチその強さが見出しにくいのと、「じゃあずっとそれでいれば良いじゃん」という無粋なツッコミも回避されるので。
実際今回は5人に増えたバクダン邪面を減らす事の尽力した上で、途中で効果が切れた後はその陽動作戦の締めとしてシルバーが倒してくれて「仲間」を改めて打ち出すという作劇を披露したので、それは説得力が出るなと思った。
後地味にちゃんと100秒が数えられていたのも好印象。こういう時間制限系だと形だけで時間周りは曖昧になるケースも出てくるので。

こういう作劇的に良い形でヨドンナに大逆転劇を見せる事ができたのも、バクダン邪面が美学を捨てタダの敵に成り下がったという対比も含めて、ちゃんと各々が輝く作風あってこそだなと思わされた。
しかし為朝の恋が破れた時の充瑠の励ましは逆効果だよなぁ…無意識下とはいえ、充瑠には柿原さんがいるので…